無料で使えるアンケートフォームの選択肢としてまっさきにあがるのがGoogleフォームです。
シンプルなアンケートフォームとしての機能はもちろん、他にも、結果の出力、条件分岐、画像アップロード(ただしGアカウントを持っている回答者のみ)、といったことが簡単にできます。
アンケートの回答の選択肢としては、「その他」を追加することもでき、「その他」を選択すると、具体的に記述をしてもらうように設定することも可能です。
ただ、アンケートの回答の出力を見ればわかるのですが、複数回答のときは、カンマ区切りで1つのセルに押し込められているので、集計が少し手間です。
特に、「その他」で回答した内容は、「その他」ではなく、回答者が回答した記述が入力されてしまいます。
(写真では、5人目が「野菜炒め」7人目が「かつ丼」を「その他」の記述として回答しています)
以前書いた記事では、上記の問題を解決するための案として、デフォルトの「その他」の機能を使わず、選択肢の1つとして自分で「その他」と入れて、別で「その他_記述」を作る案を紹介しましたが、ふと、抽出できる方法に気づいたので、この記事では、「その他」の記述内容を無理やりにでも抽出する方法を紹介したいと思います。
Googleフォームの回答で「その他」だけを抽出する方法
「その他」の回答だけを抽出する方法は、発想の転換として、回答を見つけ出すのではなく、図のように、回答から、既存の選択肢をそぎ落としていくことで解決できます。
具体的には、Googleスプレッドシートのsubstitute関数というものを使って、セル内の記述内容から不必要なものを空白に置換していきます。
substitute関数は、以下のような形で引数が3つ(4つ)必要になります。
ただし、4つ目は省略しても大丈夫です。
=substitute(①検索対象のテキスト, ②検索文字列,③ 置換文字列, ④出現回数)
①検索対象のテキスト:どのテキストを調べるか。
ここでは、回答内容(なめろう,まぐろ,たまご,かつ丼 と書かれたセル)
②検索文字列:どのテキストを見つけたいか
ここでは、デフォルトで選択肢(なめろう、かつおのたたき など)
③置換文字列:見つけた文字列を何に置き換えるか
ここでは、抜いていきたいので””として空白にする(結果的に抽出された文字列が消える)
④出現回数:検索文字列が何回出てくるまで置換するかを数字で指定する。
今回は、出現回数は気にしないので、そのままでOK
=substitute()を使って、その他以外を抜いていく
実際にやってみます。
検索文字列は1つずつやる必要があるので、まずはテストで、なめろうだけ消してみます。
画像のように、substituteで回答に対して、”なめろう”を””(空白)に置き換えます。
その結果、以下のように、なめろうが無くなり、「,まぐろ,たまご,かつ丼」になりました。
同じ要領で、続けていけばよいのですが、substitute関数を入れ子構造にすれば、substituteで置換した値をsubstituteで置換して、さらにそれをsubstituteで置換して…という風に、1つのセルだけで一気に実施することも可能です。
文章で伝えるとわかりづらいですが、つまり以下のような形にすると1つのセルだけで、実施が可能ということです(下の図を参照)
最終的に、設定した選択肢をすべてsubstituteで抽出してあげれば、結果的にその他の回答だけが残るはずです。
最後には、以下のようになります。
ただ、見てわかるように、「,」が残ってしまっています。
最後に置換で「,」を空白に置き換えてももちろん大丈夫ですが、substituteで、選択肢と同様に、検索文字列として,(カンマ)を指定すれば同じように消すことができます。
まとめ
今回の記事では、Googleフォームで「その他」の記載内容を抽出する方法について紹介しました。
- Googleスプレッドシートのsubstitute()を使う
- substitute()は入れ子構造で使用することも可能
なお、substitute()はGoogleスプレッドシートでなくても、マイクロソフトンのExcelでも使える関数なので、Excelで集計している場合も問題ありません。
個人的には、複数回答の場合は、選択肢ごとに1,0のカテゴリが入るようにして、「その他」の選択肢を設けた場合は「その他」列に1があれば、隣の列に「その他_記述」がデフォルトで入るような仕組みになっていたらとてもありがたいなと思っています。
いつかその機能が実装されると嬉しいですね。
少し脱線ですが、前回の記事では、「その他の項目は直接抽出できない」と書いていました。
そのときは、「いかにして見つけ出すか」的な視点から考えた結果難しいだろうなと考えておりましたが、今回、「いかにいらない情報をそぎ落とすか」という風に発想を変えてみたら、やりたいことができてとてもスッキリした気持ちになりました。
視点を変えてみるのって大事ですね。